C-2

機体概要
全長:43.9m
全幅:44.4m
全高:14.2m
エンジン:CF6-80C2K1F×2
離陸定格推力:27,100kg×2
運用自重:60.8t
基本離陸重量:120.1t
最大離陸重量:141.1t
巡航速度:0.8Mach
巡航高度:12,200m
フェリー航続距離:10,000km

C-2
川崎C-2は航空自衛隊の次期輸送機として開発された戦術輸送機である。
空自が保有するC-1及びC-130Hの後継として2001年より開発が始められ、2010年1月26日に岐阜基地にて初飛行を実施した。 。
海上自衛隊の次期固定翼哨戒機P-1と開発リソース及び部品を共用しており、開発費及び取得費の抑制を図っている。
本邦の航空機開発史上において最も巨大かつ離陸重量が重い機体で、全幅以外は戦中に企画された超重爆撃機富嶽さえも凌駕する。
C-2
C-2は胴体に比して巨大な2基のターボファンジェットエンジンを主翼下に懸架しているが、これは戦術輸送機としては珍しい構成である。
戦術輸送機は大半がターボプロップを採用しており、ターボファンを採用した戦術輸送機はC-1やAn-72などしかない。
C-1開発時は高い速度を得る為にターボファンが選ばれたが、C-2ではこれに加えて機体規模の大幅な拡大が背景にある。
今日の戦術輸送機は大型化する各種装備を輸送する為に積載能力の拡大が求められており、最大離陸重量はかつての戦略輸送機C-141に迫るほどである。
この機体規模の拡大に対してターボプロップでは要求の実現が困難として、C-2はC-1に続いてターボファンを採用した。
また民間旅客機市場を背景にしたターボファンの劇的な発展により、高い推力を容易に得られるようになったことも重要な要素である。
C-2の重量はC-141とほぼ同じでありながらエンジン基数が半減したにも関わらず合計推力は1.5倍にも達し、最大離陸重量での推重比は0.39という異常に高い数値を得ている。
この高い推重比によってC-2は速度性能とSTOL性能を高い水準で両立させている。
C-2

エンジン概要
全長:4.26m
ファン直径:2.36m
重量:約4,440kg
推力:265.73kN/27,097kg/59,740lbs
燃費:0.307〜0.344lb/hr/lb
バイパス比:5〜5.31

CF6-80C2K1FはGeneralElectricによって開発された高バイパス比ターボファンジェットエンジンで、民間旅客輸送機向けとして成功をなしたCF6シリーズの一つである。
元々はアメリカ空軍の戦略輸送機C-5に搭載されたTF39を民間向けに改良したもので、CF6-80C2は1985年に就役した5番目のモデルとなる。
同型はC-5のリエンジンプログラムで交換対象として選ばれており、言わば民間市場から軍用市場への回帰をするまでに至っている。
民間市場ではGE自身が後継と位置付けるGEnxの就役が間近であるが、軍用市場では安定した性能と品質により当面は使われ続けるであろう。
C-2
胴体右脚バルジにはハニュウェル製APUの131-9が装備されているが、131-9はP-1でも採用されたものである。
脚バルジは断面積変化が緩やかになる様に大きくかつなだらかな曲面で構成されており、巡航飛行時の抗力増大を最小限に抑えている。
主脚は6輪ボギー構成で、同クラスのA400MやAn-70と異なり一本の脚柱に大型旅客機の様に取り付けられている。
C-2
胴体と主翼を接合する翼胴フィレットも脚バルジ同様に大きくなだらかな曲面を描いており、同機が抗力抑制に並々ならぬ努力を注いでることが伺える。
こうした抗力抑制は何れも高い巡航速度を達成する為のもので、高度12,200mでの巡航速度はマッハ0.8に達する。
マッハ0.8という数値は旅客機用航路を飛行するという要求から出たもので、これによってC-2は効率の良い航路を旅客機の運航を妨げることなく利用可能となる。
この巡航性能は既存の戦術輸送機は元より戦略輸送機でさえも成しえなかったもので、C-2は軍用輸送機としては最も高速で飛行可能な機体と言えよう。
C-2
主翼はオーソドックスな後退角付きテーパー翼で、フルスパン前縁スラットと二種類の後縁フラップを有する。
翼面積はおよそ242平方メートルで、翼面荷重はこのクラスの機体としてはやや低めの数値である。
なお主翼構造の外側1/4程度がP-1と共用部分とされており、翼端のESMセンサや航法灯も共通化されている。
C-2
機首にはP-1と同様にミサイル警報装置が配置され、またC-2ではESMに代わってレーダー警戒センサが装備されている。
やはりP-1と共通化された風防は広い前方視界を得る為に面積が広く、またコクピット足元にも窓を設け前下方視界を確保している。
なお飛行試験機2号機の予算要求時に空中受油対応能力が要求されており、機首上面には受油口が追加されている。
C-2
尾翼はC-141以来の定番であるT字配置で、水平尾翼は若干の下半角が付いている。
胴体尾部には機首と同様にミサイル警報装置とレーダー警戒センサが装備されている。
なお水平尾翼は主構造をP-1と共通化している。
C-2
操縦系統はP-1と異なり電気信号配線によるFly by Wireを採用している。
コクピットパネルの部品はP-1と多くを共通化しており、表示内容や配置に若干の差異が見られる程度である。
また大型HUDを装備するほか、2号機予算化時にNVG対応とすることが追加要求されている。
C-2はP-1と異なりツーマンクルーとなっており、機体運用の省力化も進められている。
とくに経空脅威下での低空飛行をサポートするため、飛行経路の誘導と表示を行う戦術輸送管理システムが実装されている。
このシステムは経空脅威の回避ルート作成や目的地までの最適ルート作成を高精度で行う能力を有する。
他方で様々な地域への飛行が想定されることからナビゲート席が設けられており、必要に応じて航法士が操作する。
C-2
操縦席後方の下部フロアには省力化搭載卸下システムの操作席が設けられており、このシステムによってロードマスターの負担低減が図られている。
貨物室の長さは16m、幅と主翼ボックス下の高さはそれぞれ4m、ランプ長は5.5mとなる。
これは自衛隊が装備する車両及び回転翼機の大半を収容可能な大きさで、回転翼機であればCH-47やEC-255LP、車両であれば特大型運搬車や重装輪回収車まで搭載可能である。
また最大積載重量は37.6tにもなり、戦車のような一部の重装軌車両などを除けば大半の車両装備を積載可能である。
37.6t積載時の航続距離は5,600kmに達し、入間基地を中心にアラスカやシンガポールまでカバー可能となる。
C-2
貨物室の左右には折り畳み式の座席が設けられており、中央部には必要に応じて空挺隊員用の座席も追加できる。
後部には空挺降下用の扉が設けられ、外部には多孔式の風除け板が装備されている。
後部ランプはC-17やA400Mと同タイプで、積卸用スロープと貨物室扉と貨物搭載フロアの三つの機能を兼ねる。
C-2
川崎重工はC-2の民間転用構想を2006年ごろより進めており、同年のファーボロ航空ショーではKHIパーソナルカラーを纏った民間型のイラストを出展している。
また2007年のパリ航空ショーでは新たに翼上面にYCXと描かれたイラストが出展され、C-2ロールアウト時には構想実現化に対して防衛省が支援する意思を示している。
このYCX構想はC-2を最小限の改造で民間向け規格外貨物市場に売り込むというもので、背景には航空貨物市場そのものの拡大と規格外貨物を扱う現有機材の更新需要が迫っているという事情がある。
C-2
C-2は軍用輸送機でありながら、双発であることによるターンアラウンドタイムの短さ、旅客機用航路を利用可能な巡航性能、民間で広く使用されているエンジンなど、民間市場に極めて適した機材という側面を持つ。
一方で特殊ローダー無しに大型規格外貨物を取り扱う能力は、旅客輸送機から改造された747Fや777Fなどの大型貨物機にも無い稀有なものである。
川崎重工ではこうした軍用輸送機としての能力と、他の軍用輸送機には無い民間での運用性の高さを、最小限の改造によって実現可能と見込んでいる。
C-2
構想イラストではミサイル警報装置やレーダー警戒センサが取外されており、空中受油口や空挺降下用の風除けなども取り除かれると思われる。
貨物室はスペースを最大限に使う為に座席が外され、操縦席に上るラダーの配置なども変更され得る。
またULDコンテナを効率的に扱う為に、コンテナの2段積みを可能とするオプションも考えられている。
この2段積みオプションは、展開式のデッキを使用することでコンテナやパレットの搭載床面積を倍増させる構想である。
またIl-76やAn-124に見られる積卸用クレーンを望むユーザーも存在することから、同社ではオプションとしてクレーンシステムも検討している。
C-2
防衛省装備施設本部によれば、C-2のライフサイクルコストは約1兆7,296億円と見積もられている。
見積もり条件は調達機数を約40機、運用期間を約40年と仮定しており、1機当りでは約432億円となる。
1機1年当りでは約10億円となり、A400Mが掲げた目標値よりやや高い程度である。
調達整備費用は約5,492億円で総LCCのうち31.8%になり、運用維持費用は約9,760億円で56.4%と見積もられている。
なおP-1と合わせて約3,450億円とされる開発費のうち、C-2側の費用と評価された金額は約1,563億円で総LCCの9.0%であった。
これに試験費用等を含めた金額は約2,038億円で、総LCCの11.8%となる。
この他に構想段階における技術研究費が約6億円、総LCCの1%以下となっている。

収録バリエーション

C-2
無地の基本形
リペイントや改造等に御利用下さいませ
C-2
飛行試験1号機
記念すべき技本カラーの機体
C-2
飛行試験2号機
空中受油口を追加
C-2
量産機カラー
塗装は2号機に準拠
貨物:96式装輪装甲車*2/軽装甲機動車*2
C-2
民間転用型YCX
若干の改造を施したKHIパーソナルカラー機

これより先ジョークバリエーション

C-2
ブルーインパルス・シニア
スタークロスの後に習志野出身の全裸紳士が降下してきます(嘘)
C-2
C-1風森林迷彩
配色変えただけのお手抜き仕様
貨物:中SAM発射機/中SAM幹線無線伝送装置
C-2
米空軍風カラー
C-17に対抗してAMC-Xへ応募してみました
貨物:CH-47D
C-2
電子戦訓練型
どこぞの高速鉄道車両みたいになってしまった
C-2
空中給油型
ブームはもちろんKP-1の流用
貨物:20kl燃料給油車
C-2
ガンシップ
ただし主砲は尻から発射される
C-2
US-2風塗装
海自の機雷を落とすためのあれ
貨物?:91式機雷
C-2
PW4000換装型YCX
CF6と何が違うのかと思ってしまった
貨物:P-1中後胴
C-2
Trent換装型YCX
何で回転方向違うんだろうねR&Rって
貨物:P-1主翼ボックス*2/P-1垂直尾翼
C-2
GEnx換装型YCX
回ってるところを見ると気持ち悪くなるよ
貨物:超低床電車SWIMO
C-2
ANAカーゴ塗装
民間機といったらまずこれ
貨物:GE90-115B*2
C-2
JALカーゴ塗装
鶴丸から変わったお陰でリペし易く
貨物:LD3コンテナ*36
C-2
NCA塗装
747以外に塗装例が無いので少々アレンジ
貨物:EC225
C-2
DHL塗装
超個性派カラーリングの代表例
貨物:96インチパレット*8
C-2
FedEx塗装
民間貨物機といったらこいつは外せない
貨物:空中発射ロケット
C-2
出光空中給油サービス
※こんなサービスは実在しません
貨物:いすゞ航空燃料給油車